オレンジページを動かす、さまざまな部署の個性的なメンバーたち。それぞれのワークスタイルから、多岐にわたる業務やオレンジページのカルチャーが見えてきます。今回話を聞いたのは、総務企画部のチーフディレクターを務める遠藤由美子。オレンジページの広報業務を一手に担う遠藤が、仕事のやりがいや広報業務を通して関わる人への思いなどを語ります。
1日3回のエゴサーチも、趣味のように楽しみながら
—これまでのご経歴と普段の業務内容について教えてください。
遠藤由美子(以下「遠藤」):2002年にオレンジページに入社し、最初は「オレンジページnet」に配属されました。その後、2015年に広報に異動して、丸10年が経ったところです。前職は出版社でストリート系ファッション誌の編集をしていましたが、出産を機に子育てをしながら心地よく働ける場所を探して、オレンジページに入社しました。
いまは、オレンジページの広報業務全般を基本的にひとりで担当しています。具体的には、メディアからの問い合わせ対応をはじめ、刊行物やイベントなど、会社の取り組みについてのリリースを配信したり、SNSで新刊情報を投稿したりしています。また、オフィスの発信・交流スペースの展示や飾り付けなども部内の方と協力してやっています。

—遠藤さんの、とある1日のスケジュールを教えてください。
遠藤:この日はまず、7時20分から編集長が出演するテレビのオンエアをチェック。その後は、SNSでの発信と社内ポータルサイトにて情報共有をしました。SNSは、メディアでの露出から間が空いてしまうと効果が薄れてしまうので、リアルタイムでの投稿を心がけています。いまは週の半分くらいは在宅勤務をしているので、情報発信に合わせて細切れに稼働することもでき、働きやすいですね。
その後、9時からエゴサーチやメールチェック、11時からはプレスリリースの最終調整や画像処理をして、12時に昼食。13時からは刊行物の内容説明会の録画を視聴しました。これは、各編集者ができあがった表紙や中面のページを見せながら、販売部や広報向けにオンラインで内容を説明するものです。説明を聞いて、類似書と比べた際の本の“売り”や編集者の想いについて質問したり、リリースの調整をするのですが、この日はリアルタイムでの参加ができなかった説明会の録画を2本視聴しました。ほかにもメール対応を済ませ、1時間ほど私用のために外出。
帰宅後は、リリース設定の確認や広報以外に担当している法務業務での景表法のチェックをして、17時からは雑誌『オレンジページ』の40周年企画ミーティングに参加。18時から周年企画の振り返りとまとめ、エゴサーチをして1日が終わりました。

—エゴサーチは頻繁にするのでしょうか?
遠藤:業務のすき間時間に、1日に3回以上はしていますね。リスク管理目的でもありますが、ありがたいことにこれまでオレンジページが大きく炎上したことはないんです。なので、SNSをチェックして書店さんや著者の方の投稿があったら、「こんなふうに言ってくれてるよ」と編集者に伝えたり、読者からの反響を社内に共有したりしています。
—SNSの声をきっかけに、次の企画につながることも多そうです。
遠藤:なにか企画につなげられないかなと考えることも楽しいですし、エゴサーチも趣味のように楽しんでいます。以前、クリッピング会社からSNSのエゴサーチ代行を提案されたことがあったんですが、普段のチェック状況を伝えたら「……好きなんですね」と驚かれたくらいです(笑)。
エゴサーチだけでなく、広報の仕事は自分に合っていると感じますし、知り合いの記者さんから「天職だね」と言われたこともあります。前職で雑誌の編集をしていたことや、オレンジページnetでコンテンツをつくっていたことなどが、全部血肉となっていまに活きているのかなと思います。
—仕事中はラジオを流して、さまざまな情報に触れられるようにしているそうですね。
遠藤:はい、耳が空いているときは、なるべく流すようにしています。TBSラジオの「ジェーン・スー 生活は踊る」は、オレンジページがレギュラーコーナーを持っているので、オープニングトークや大好きな相談コーナーは必ず聴いています。ほかにも生活系の番組を流すことがあり、「あっ」という気づきやきっかけを大事にしています。

オレンジページの魅力を客観的にわかりやすく伝えたい
―仕事をしていて、楽しさややりがいを感じるのはどんなときでしょうか。
遠藤:ひと言で表現すると、オレンジページを「いい感じに推せたとき」です。私は広報の仕事を、客観的な視点でどう伝えたらわかりやすいかを考えることだと捉えているので、オレンジページを知らない人にも、会社やサービスについてわかりやすく説明することを意識しています。
私自身、オレンジページが大好きでこの会社で働いているので、うっかりすると“好き”があふれてしまうのですが、一方的な押しつけにならないように気をつけています。アイドルの古参ファンが新規のファンを自然に誘うようなスタンスで、ある程度引いて考えているんです。それがメディアや番組にハマると、やっててよかったなと思いますね。
―反対に、お仕事のなかで苦労していることや大変だと感じることはありますか?
遠藤:特にテレビの仕事は急な依頼も多くて「来週どなたか出演できますか?」と1週間前に連絡が来るようなことも珍しくありません。ロケが決まっても台本が全然届かなかったり、集合場所がギリギリまでわからなかったりすることもありました。
また、番組の構成はあらかじめ決まっていて、編集権ももちろんメディア側にあるので、放送された内容を見て「ちょっと期待していた感じじゃなかったな」と感じることもあります。テレビは基本的に事前に放送内容のチェックができません。一方で、番組スタッフさんがギリギリまで編集作業をされることもあり、前日の遅い時間に事実確認などの連絡が入ることもあるので、放送前夜はいつでも対応できるよう、ノンアルでおとなしく過ごしています。
いろいろと大変なこともありますが、最後は「人と人」のつながりなんですよね。だから「もう一度オレンジページと一緒に仕事がしたい」とか「オレンジページで働いたらおもしろそうだし、楽しそう」と思ってもらえるような仕事がしたいと考えています。

生活に妥協をしない人が集まる会社
―この会社での働き方やカルチャーについて、どのように捉えていますか?
遠藤:まずは、やはり在宅勤務できる点がすごくありがたいですね。広報業務は早朝や深夜、休日にも発生することが多いですし、仕事相手からの連絡を待つ状況も多くありますが、ストレスが少ないのはフレキシブルに働けているからだと思います。
カルチャーについては、食だけでなく家事や子育て、介護、趣味の充実など、生活にしっかりと関わっている人が多い印象です。やっぱり、生活関連のことを扱っている会社だから、生活が疎かな人は集まらないのかなと思っています。自分たちがつくっているものと生活が無理なくつながっている会社なのかなと思いますね。私も含めて、多分ですが、コンビニなどでお昼ごはんを選ぶときも「なんとなく」ではなく「今日は絶対にアメリカンドッグとヨーグルトが食べたい!」と明確に決めて、限られた選択肢のなかで自分が一番満足するものを選ぶ人が多いんじゃないでしょうか。
―生活者として無理なくいられるということが、オレンジページに転職したときの魅力的な部分でもあったということですね。
遠藤:そうですね。出産後、育児にいっぱいいっぱいになってしまって、文字も見たくなくなり、音楽も聴きたくなかったんです。でもそんなときに、久しぶりの美容院でふと目にした『オレンジページ』だけは読むことができました。結局、いろいろなものがそぎ落とされていっても「食」は生活からなくならない。そう思ったときに、オレンジページで働きたいと考えるようになったんです。
入社して20年あまりが経ちましたが、いまでも入社してよかったと思いますし、毎日すごく楽しいですね。