1万6000点以上のレシピやくらしに役立つコンテンツを届けるWEBメディア「オレンジページnet」が、2023年5月25日に刷新されます。新たな切り口の食情報や著名人による連載、食にまつわる漫画など、ワクワクするような記事を次々に発信。リニューアルのポイントや経緯を、編集長に就任したエディトリアルコンテンツ部デジタルコミュニケーションチーム担当部長の原田直美に聞きました。

PROFILE
原田直美(はらだ・なおみ): 滋賀県生まれ。大阪大学経済学部卒業。女性誌『Zipper』『nina’s』の編集長を経て、動画メディア「mamatas」を立ち上げ、1年で国内のSNSママメディアNo.1フォロワー数に育てる。WEBメディア「ベネッセ教育情報」、アプリ「まなびの手帳」編集長を経て、2022年9月にジョインし、「オレンジページnet」編集長に就任。プライベートでは旅とヨーグルトを愛する、中1男子の母。web解析士。


料理系の出版社によるWEBメディアに大きな可能性を感じた

―「オレンジページnet」がリニューアルするに至った経緯を教えてください。

原田直美(以下「原田」):「オレンジページnet」は1995年に生活情報サイトとしてスタートし、レシピを中心にコツコツと更新してきました。割いてきたリソースのわりにPV数が多く、今回、本腰を入れてWEBを強化しようということになったんです。

―原田さんはどのような流れで編集長に就任したのでしょうか。

原田:他社で編集長をしていましたが、縁あって話を聞いたところ「やってみたい!」という気持ちが湧きあがりまして(笑)。 オレンジページ社の読者第一主義でコンテンツを大切にする文化や、「オレンジページnet」の持つ可能性に惹かれました。WEBと料理は相性がよいのですが、オレンジページnetにはプロによるすばらしいレシピが何万本もあり、筋金入りの料理編集者が大勢いる。財産がたくさんあり、可能性しかないと思いました。

編集会議の様子。「どんな形もつくることは楽しく、編集者という生業の好きなところ」と原田。

編集部、著名人、読者。3方向の書き手が発信する生の情報

―今回のリニューアルのポイントを教えてください。

原田:編集記事をぐっと増やし、くり返し訪れたくなるようなメディアを目指しました。
「日本のおいしさを楽しむくらし」という新しいキャッチフレーズを掲げ、コンテンツを「おいしい」と「くらし」の2本柱に。「おいしい」は「作る」「買う」「行く」「感じる」の4つの切り口から食の情報を紹介し、「くらし」は家事や住まい、美容・健康、エンタメなど、“おいしいもの好き”たちのくらしを支える記事を発信します。

「おいしい」コンテンツ
・「作る」おいしい:レシピ
・「買う」おいしい:お取り寄せ、おすすめの市販品
・「行く」おいしい:旅行、グルメ
・「感じる」おいしい:見る、知る、読む

「くらし」コンテンツ
・生活:家事や住まい
・美容・健康:ヘルスケア、コスメ
・エンタメ:読みもの、カルチャー

記事の書き手を「編集部」「著名人」「読者」と多様化したこともポイントです。
「編集部」については、編集部ブログやレポート記事など、編集部員の“顔”が見えることを大切にしました。また「オレンジページ社員がおすすめするふるさと納税返礼品」など、食に詳しい社員が多いことを活かした連載もあります。

―著名人による連載はどのようなラインナップでしょうか?

原田:これはおもしろくなると期待しているのが、作家の柚木麻子先生による「『拝啓、小林カツ代様』~令和のジュリー&ジュリア~」です。もともと料理好きだったのに、コロナ禍を経て料理嫌いになってしまった柚木先生が、日本のジュリア・チャイルドならぬ小林カツ代さんのレシピと生き方に触れることで、なにを得て、どう変わっていくのか。日本の家庭料理においても、働く女性としてもエポックメイキングであるカツ代さんを、柚木先生がどう“料理”するか楽しみです。

リニューアルに先がけて公開していてすでに人気なのは、女優・真野恵里菜さんの「ふたりごはん日記」。スペイン在住で、パートナーであるプロサッカー選手の柴崎岳さんとの食卓の様子が綴られています。真野さんを柴崎さんが撮影してくださっていて、楽しい食事の時間がそのまま写っているのも、この連載の密かな魅力です。

それから、お笑いカルテット・ぼる塾の酒寄希望さんの「1件の画像通知があります」 もおすすめ。これも先行公開しています。毎回、“おいしいもの好き”なぼる塾の他メンバーから「食べておいしかったもの」の画像が届くのですが、メンバーとの会話や妄想が酒寄さんによって臨場感たっぷりに書かれています。

ほかにも「夢眠ねむのグルメ布教活動」 「休日課長の『The基本200』を極める。」 「長谷川あかりの日々の料理これでいいのだ」 「発酵マイスター榎本美沙の親子ごはん」など、著名人や料理家による20本の連載を予定しています。

“おいしさ”は主観的なので、今回のリニューアルでは、「おいしいと感じている本人」に書いていただくことにこだわりました。だから、連載でお声がけしているのは“おいしいもの好き”な方だけ。依頼時には『オレンジページなら』と快諾いただけることが多く、本誌で信頼を積み重ねてきたオレンジページの強みだと実感しています。

―読者による記事はどのようなものですか?

原田:一般公募を経て選考した50名の「オレぺエディター」によるブログ記事です。このブログはリニューアルの目玉のひとつ。日本全国から食やくらしの情報を発信できることや交流が生まれることは、WEBならではの魅力であり、テーマである「日本のおいしさを楽しむくらし」ともリンクしています。料理や食べることが好き、くらしを楽しみたい、地元情報を発信したい、そしてオレンジページを愛してる!、そんな方が参加してくださっています。

―ほかに、食にまつわる漫画も掲載されると聞きました。

原田:食のエンタメとして、人気の漫画を掲載しています。おいしさを想像しながら読むことを楽しんでいただけたら。初めて「オレンジページnet」を訪れるきっかけや、「きのうの続きを読みたい」と再訪の理由になることを期待しています。

―WEB記事は1本で完結するものが多いなかで、漫画は「次回への期待感」を高めるものとして効果的だと思いました。動画コンテンツやSNSも始められるそうですね。

原田:動画はアルゴリズム上Googleから優遇されるだけでなく、クライアント様からのニーズも多くあります。収益化について考えるときに外せません。私自身が動画メディアにいたときに動画の持つ訴求力を実感していたので、「オレンジページnet」でもぜひチャレンジしたいと思いました。SNSについては、TwitterやInstagramがすでに人気なので、このまま力を入れていきます。

強みを活かして日本の“おいしい”を支えていきたい

―それこそ雑誌のようにさまざまなコンテンツが網羅されていますが、これらの内容はどのようなプロセスで検討したのでしょうか?

原田:まず料理系のWEBメディアや広告状況などの外部環境分析から始め、次に「オレぺの強みとはなにか?」ということを考えながら戦略を発展させていきました。紙の雑誌があること、歴史がありファンがいること、プロフェッショナルな料理編集者がいることは非常に大きい。たとえば今回始まる読者ブログは、料理が得意でおいしいものが好きな読者が多い強みを活かしたコンテンツです。
また、本誌の会議にWEBの編集部員も参加しており、連動企画も生まれています。

最後に、今後の展望について聞かせてください。

原田:新しいコンテンツをどんどん増やしているので、まずは「最近オレンジページnetをよく見かけるし、おもしろいね」と認識されること。そのうえで、地域や旬など、日本のさまざまなおいしさとその楽しさを伝えていきたいですね。 さらに、イベントや商品開発など、食にまつわるあらゆるニーズに対応できることを活かして、企業や自治体と積極的に関係を築いていきます。そんなふうに、入口であり出口でもある存在として日本の“おいしい”を支え、日本を楽しくしていくことに貢献できればと思っています。

オレンジページnet
https://www.orangepage.net

プレスリリース
【5/25】オレンジページの新ネット戦略がスタート! 日本のおいしいを伝える「オレンジページnet」&おいしいを仕事にしたい人へ「オレンジページの学校」